最近読んでおもしろかった作品 & 自分らしい話 & 「魔女の恋」更新
2025年03月12日 (水) 13:31
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のれん  楠木結衣さま

 こんにちは。
 さいきん、本当に花粉やばすぎないですか。この時期は毎年のことだと思うんですが、個人的に今年はひどく感じます。
 目じりが切れて口角が切れるという肌荒れ(?)と頭痛がしぶとく、このやろう、というかんじです。花粉症ではなかったはずなのに。
 乾燥と花粉と気圧の変化など、春の総攻撃に見舞われているようですが、みなさん、どうぞご自愛を!


最近読んでおもしろかった作品(読み始めた順)

 おととし去年も勝手に書きなぐったやつ。今年も勝手にあげてきます~。
 例年同様、各作者様には無許可なうえ、まったくおつきあいのない&感想を残したこともない作家さまの作品を含みます。



【完結】創造系ポンコツ魔女は恋の救済屋さん。恋は救済するけど、悪だくみしてのうのうと逃げ隠れている悪党は許しません!(完結済) 幌あきらさま

 ユニークで独創的な魔法、読みやすくわかりやすく、なおかつしっかりとした世界観で、縦横無尽に暴れまわる個性豊かなキャラクターたちにめっちゃ引きつけられました。
 ミステリらしい謎解き要素とファンタジーとポップで可愛いロマンスがまじりあって、好きにならずにはいられない!


公爵令嬢カタリナの事件簿:悪女オランピアの肖像(完結済) 琥珀さま

 異世界恋愛ミステリ・公爵令嬢カタリナシリーズにハズレなし!
 どちらのお話もコメディとしみじみ深いヒューマンドラマ、そしてもちろんミステリがすばらしい塩梅で調和していて。それから緻密な背景と世界観がたまらなくすてき。
 一作を選ぶのはめっちゃむずかしかったんですが、高級娼婦という題材が好きすぎる。


お祓いなのかカウンセリングなのか、これってどっちなんですか!?~縫代いちか(アラサー)が中身不明のロリ美少女に拾われた話~(完結済) くろつさま

 登場するキャラクターがみんな生き生きとしていて個性豊かでめっちゃ魅力的。
 躍動感があってすごくポップで、映像として視覚化したらぜったい映える!
 作者さまもそのあたりを狙って書かれたそうで、最高にわくわくするエンターテイメント作品です。


聖蹟は遙か遠し(完結済) 六福亭さま

 ひたすらに圧倒されました。
 お恥ずかしながら、ベトナムにまつわるさまざまなことに造詣がない身ではありますが、高温多湿なベトナムの空気感とドラマティックな展開に、ページをめくる(?クリックする?)手が止められませんでした。
 奥深く哲学的なテーマを内包しつつも、エンターテイメント要素もしっかりあり、それから(おそらく)ベトナムの民話に基づいた民俗学、もちろん歴史学的おもしろさもあって。
 あたたかい人と人とのやりとりもすごく素敵で、なんかもう、すごい! としか!


園丁の王(完結済) 井出有紀さま

 ちょう本格ファンタジーです。
 庭づくりを通じて登場人物の思想、生き方に結びつき、美しい景色と物語を描いています。
 キーワードに「大人のファンタジー」とありますが、まさしくそのとおり。


ヴィランの死(完結済) いしいさま

 やばい。超絶好み。
 ど真ん中を撃ち抜かれました。
 胸糞悪くなるイカれ具合なのに、スタイリッシュで、ときどき優しいのかな? って勘違いしたくなっちゃうような複雑さで、でもやっぱりすっごいクズ、という。それが主人公。
 ヴィラン映画、ギャング映画がお好きな方はぜひ!!!!



自分らしい話

 先述したいしいさまの「ヴィランの死」を拝読して、思い出したこと。
 そういえば私って、もともとクズな話が好きだったなあ、と。

 自分が書くのでも、頭に浮かぶのはクズの話ばっかりだったし、今でもたぶん書きやすいのは、そういった健全でも誠実でもないキャラクターなんだと思います。

 これまで書いてきた中で、一番自分らしいな、と思うのは、
 短編なら「ちっぽけな町の神様が消えた
 中編なら「THE CRAP オブ・ザ・くず、バイ・ザ・くず、フォー・ザ・くず

 代表作の「魔女の恋」は、私らしいかと言えば、たぶんそうではない。ような気がします。
 とはいえ、この数年で自分の意識も変わってきて、今の私らしいのは連載作の「魔女の恋」なのかもしれません。どっちだよ。

 『小説家になろう』で書き始めたころ。
 すでに結婚して子供もいたけれど、文章を書くときの意識は、独身時代から続く自我が強かったように思います。
 いまは、家族がいることに身も心も馴染んだ、というのでしょうか。
 「個人としての自分」より「家族のなかの自分」という意識のほうが優位にあるように思います。
 家族を持つ者であれば、当たり前の感覚なのかもしれませんが、あらためて考えてみると、自分の変化に驚きます。
 そしてその変化が心地よく、幸せなことだとしみじみ思います。

 物語を書いていく上で、もしかしたら、独身時代にはあったかもしれないわずかばかりの個性的で独創的な部分というものは、消失してしまったのかもしれません。
 以前より保守的になったし、ある意味、視野も狭く、無神経でずうずうしく、排他的になったかも。

 けれど今の自分だから書けるものもあるんじゃないかなあと、書きたいものを書きたいように、楽しく書いていきたいなあ、なんて。
 なんとなく書き留めておきたくなっちゃいました。

 というのと、埋もれまくった過去作の宣伝でした! これが目的!!!

 自己陶酔的自分語りでおめよごし失礼しました~。



「魔女の恋」更新しました

 最新話は「第6章 /10 ふたりのジークフリート(3)」です。
 メイン(?)キャラクターのひとり、『ユーフラテス』の描写に誤りがありました。

  うすい灰青色の瞳 →   琥珀色の瞳

 です。

 教えてくださって、めちゃめちゃたすかりました……! 改めてありがとうございます!
 他の話のヒーローと混同して、すっかり忘れていました! だめすぎる!


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いただいた紹介記事

コメント全14件
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空原海
2025年03月22日 21:27
やまだのぼる様

コメントありがとうございます~。
いやいや、なろう作家の皆様こそ、無償でご執筆ご投稿くださって、たくさんのすばらしい物語を惜しみなく公開してくださり、感謝のきもちでいっぱいです。
多岐にわたるジャンルはもちろん、商業作品ではないからこその実験的な作品だったり、作者さまの思いがひしひしと伝わってくる作品が小説投稿サイトにはたくさんあって、すごくありがたいなあと……。

「ちっぽけな~」、やまだ様が初めてご覧くださった話だったんですね!
以前コメントいただいたときにも、もうめっちゃめちゃ嬉しくて浮かれあがっていたんですが、りりりいりりり、りすぺくと……!
まさかのやまだ様からそのようなお言葉をいただけるとは!!!!!!!
書いてよかった!!!! ほんとうによかった!!!!!!!

ボーエン先生のお言葉、作中で拝読したときにもめちゃめちゃ刺さったんですが、やまだ様からこうしてお言葉をいただけて、あらためて胸にしみいります!
アルマークへの言葉として拝読したときには、そうだぞ、アルマーク! きみはいい方向に進んでいるんだ! がんばれ! みたいなオバチャン目線だったのが、自分の心の奥へと手がさしのべられているような。
めっちゃくちゃ励まされました! ありがとうございます!
さすがの読書量ですね!
こまのさんもおっしゃってましたが、本当に空原さまは全てのなろう作家にとっての救世主…!( ;∀;)ありがたや
「ちっぽけな町の神様が消えた」、私が初めて読んだ空原様の作品でした。「うわー、これすっげー✨」という感想しか出なくて、感想欄に何か残そうとしたけれど結局何も書けずに撤退したことを覚えています。ご自分らしい作品。まさにそうなのだろうな、と思います。私には逆立ちしても書けない作品です。だからこそ、私は空原さまをリスペクトしているんだろうなあ、と。
作風が年齢とともに変わっていくのは仕方ないことなのでしょうが、きっと悪いことではないんだろうと思います。手前味噌で恐縮ですが、武術教官のボーエン先生がアルマークに言った言葉を…。
「技術が洗練されると、かえって尖っていたものが失われたような気になる。穏やかに角の取れていく自分を、無性に物足りなく感じる。強さからどんどんと乖離していっているような気持ちになる。かつての自分を取り戻そうと、わざと荒っぽくやってみたりもする。だがそれも、強くなるための一過程だ。君は正しい方向に向かって進んでいるよ、アルマーク」
これからも頑張ってください!

空原海
2025年03月17日 11:10
東郷しのぶ様

コメントをありがとうございます~。
ぜひぜひ、お時間のあるときに!
クズって種類がいろいろありますよね~。クズ話ばっかり書いちゃう人間ですが、クズも奥深いなあ~と……なにを言っているんだろうか。
東郷さまオリジナルなクズ、いつか拝読したいです!

そして『ちっぽけ~』をご覧くださり、ご感想までありがとうございます!
夢、大丈夫でしたでしょうか……どきどき。

そしてお気づかいをありがとうございます!
年度末、どなたもお忙しそうで、東郷さまもどうぞご自愛を~。
東郷しのぶ
2025年03月17日 01:41
 素敵な作品をたくさん紹介していただき、ありがとうございます。時間がある時に拝読を……。
 クズな話(←!)は、読むのはけっこう好きなんですけど、自分で書くのはかなりハードルが高いです(汗)。でもいつか、オリジナルなクズが主役(爆)のお話を書いてみたいです。

 御作の『ちっぽけな町の神様が消えた』を拝読しました! 強烈な作品で……すごく印象深かったです。う~ん、このまま寝たら、夢の中に出てきそう……。
 季節の変わり目ですので、どうぞお身体を大事になさってくださいね。
空原海
2025年03月14日 23:51
琥珀さま

コメントありがとうございます。
ポンコツ魔女、ほんとかわゆかったです! 続編めっちゃ読みたい……。
そして琥珀先生のお話は、おもしろいがすぎる話しかないので、拝読するたびに「このお話最高におもしろい!!!!」ってぴきーんとしてしまうので、選ぶのめっちゃむずいかしいです! 悩む!
絶対紹介したくなるというか「私こんなにおもしろいお話知ってるんだよ! すごいでしょ!」って自慢したくなるというか。
今「ピンク髪ツインテヒロイン」拝読しておりますが、その奥深さに驚愕しております。
世界観がもうものすんごい重厚で緻密で、それを口あたりのめっちゃいい青春コメディでコーティングしつつ、滲み出る知性という……すごすぎる。

他作品も、拝読して「こんなおもしろいお話があったのかー!」ってめちゃめちゃ感動したので、琥珀先生のお気の向かれたときにぜひ!

キャラ設定、しかもイセコイ(ではないけど)で瞳の色間違えるのヤバすぎて、ぞぞ~っとしました。
勘違いしたまま瞳の色に絡めたサイドエピソードとか執筆投稿しちゃってたら、恐怖でしかない!

「自分らしさ」の話だったり、「魔女の恋」という文字数やばずぎ話におつきあいくださり、本当にありがとうございます!
ねぎらいのお言葉、めっちゃ励みになります~!
空原海
2025年03月14日 23:36
こまの柚里さま

こんにちは! コメントありがとうございます。
もともと読み専だったので、自分好みの作品をスコップして読みふけるのが大好きなんです~。
初めましての作品を見つけるのは、既読作品の感想欄からたどっていくことが多いです。
作品下に表示される「この作品をブックマークに登録している人はこんな作品も読んでいます」もよくチェックしています。

自分らしい話、お目通しと、そしてブクマまでありがとうございます!
小説読んだり書いたりと、おひとりさま時間をたっぷりもらっているので、一般的な尺度でいえば家族に寄り添っていないかもなんですが、私なりに、ということで甘い自己採点を……。

こまの様の作品を拝読すると、みずみずしい感性というのか、新鮮でありつつ、しっとりと落ち着いていたりと、さまざまな情感を体験することができるなあと思っていました。
なるほど、これまでこまの様が温め、熟成させたものの集大成だからなんですね。
優れた作品に触れると、そういった過去の感じ方考え方などを思い出すことはできるんですが(読書の楽しみのひとつですー!)、さて自分がそういった過去の感じ方を書こう、となると、私はもうダメでして。
環境に流される軸のない人間なので、年月をかけてじっくりと築き上げていくということができず……。刹那的だったり変動的になってしまって。
それなので、こまの様のレントリアのように、軸のぶれない、美しく素晴らしい世界を拝読することができるのは、読者として本当に幸せです!
琥珀
2025年03月14日 12:50
ポンコツ魔女かわゆかったですよねー!とか拝見していたら、拙作もご紹介いただいていて、あばばばばば…(腰が抜ける)
ありがとうございますありがとうございます…
他の作品は未見なのですが、どれも個性的で面白そう!
なろうの奥は深い…
じわじわ拝見させていただきます!

「自分らしさ」の話も、興味深く拝見しました。
作品を書いていると、自分でも気づかなかった思いだったり、価値観だったりが出てくる感じがありますよね。
そしてキャラの設定を勘違い、長編あるある…あるある…(白眼)

「魔女の恋」、現世パートも過去パートも全然展開が読めなくて、ドキドキで拝見しております。
ご執筆大変かと思いますが、ご無理のない範囲でででで…!
空原海
2025年03月14日 09:15
四宮楓さま

コメントありがとうございます。
目にする方によっては、嫌悪、あるいは鼻についたり傷つけたりするかもしれない言葉をぬけぬけと書いてしまいましたが、素敵とのお言葉をありがとうございます!
だいぶずうずうしくなりました! いや、もとからかも。
空原海
2025年03月14日 09:05
たんばりん様

コメントありがとうございます~!
あっ、たんばりん様にも花粉の影響が……!
鼻水もうっとうしいですよね。考え事に集中できないというか、書類作成のミスが頻発したり。私の場合、ミスに花粉は関係ないかもですが。

そうなんです!!!!!!!
めっちゃおもしろいんです!!!!!
よかった! 作品のおもしろさが少しでも伝えることができたようでよかった!
ベトナム史のお話、私の書き方だとズドーンって重々しく感じてしまうかもしれないんですけど、とっつきにくいような難解なお話じゃないんです!
すっごく読みやすくて、エンタメとしてもおもしろくて、あっと気が付くと明け方近くになっていたりして、いつのまにか深く豊かな、過去のベトナムの世界にトリップしている……みたいな感じなので、めっちゃめちゃオススメです!

こどもの気持ち、若者の気持ちなど、年月が経っても忘れないでいられるロアルド・ダールみたいな人もいますし、若いころからひとの心理を熟知した早熟の天才アルチュール・ランボーみたいな人もいるんでしょうけど、ごくごく凡人で理屈より感情で動いている私のような人間は、書きたいものしか書けない。ので、おっしゃるとおり「今しか書けない」なんだと思います。

「魔女の恋」完結待ちしてくださったり、既読内容に言及してくださり……そのうえもったいないようなお言葉をたくさんいただいて、すっごく嬉しいです! ありがとうございます!
空原海
2025年03月14日 08:51
一布さま

ねぎらいのお言葉ありがとうございます~。
皮膚科一応通っているんですが、なかなか治らずで……花粉とか乾燥とかより、単純に年のせいかも!

私、ネタバレばっちこい派!
というか、伏線回収したあとの再読がめっちゃ好きです。
あーここそういうふうにつながってたのかー! っていうのが見えると、ゾクゾクする。
なので、作者様の自作語りと解説していただける機会があったら、もう、たまらないです!
とかいいつつ、自分で「これ伏線かな?」って探り探りで読むのも好き……好きなお話なら、たぶん、どんな読み方をするのでも好きかもです。

「ふたりのジークフリート」編、ほんとうは一話でおさめるべきところを文字数とテンポの悪さの関係でページ分けしちゃいました。
なので一気読みのほうが読みやすかったかかもです。すみません~。
でも「後で一気読みしたい」と言っていただけてめっちゃ嬉しいです!

気候の変化だったり、年度末で大忙しだったりですが、お互いに健康第一で趣味を楽しみたいですね!
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OSZAR »