タイトルのとおり、通りがかっただけなのに、それがキッカケとなって、いつの間にか世界を救ってしまう物語である。
奇をてらった展開はなく、王道的な流れのまま人助けをして、やがては――という流れになっている。
主人公は最初から精神的に成熟しており、若さがありつつも未熟さを感じさせない行動理念がある。
旅を続けているうえで集う仲間たちも同様で、変にメンタルが打ちのめされたり、挫折挫折のオンパレードということもなく、安定した面子がそろっている。
反面、キャラクターたちが安定しすぎているがゆえに、物語の濃厚さが弱く、山あり谷ありが浅く思えることもあるだろう。
しかし、不快感なくあっさりと綺麗にまとまっているため、すっきりと楽しむことができるともいえる物語だ。