レビューした作品一覧全1件
この物語における一番大切な魔法、それは言葉だ。 魔法という読者にとって馴染みが薄く不確かな要素を、言葉という馴染み深いものにしたことで、より展開を読者に楽しみにさせた。 だが、このお話の最大の売りは、そこじゃない。 このお話にとって一番重要なもの。それは、恋愛である。 百人と、いいや、千人と殴り合ってもいい。私は意見を変えない。 このお話にとって! 一番大事なものは! 恋愛である! 振り払っていた手、優しく繋ぐ手。 気にならなかった居場所、いてほしいと望むようになった場所。 最初は響かなかった言葉、届くようになった言葉。 このお話の言葉の中にはいくつも、嘘が紛れている。 だから魔法は、正直な言葉じゃないといけない。 ありがとうと読みながら何度、天に祈りを捧げたかわからない。 ありがとう。 このお話を書いてくれて。 ありがとう。 読書の楽しさを、私にいつも思い出させてくれて。
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