コンキスタドールがエルドラードを追い求めて南米に足を踏み入れたとき、そこには高度に発達した文明を持つ、都市帝国が栄えていました。
そのうちの一つが、お話の舞台であるアステカ帝国。
人身御供の神事ばかりが取り沙汰されることもありますが、はたして彼等は、コンキスタドールの言うような『邪教の野蛮人』だったのでしょうか。
一方、メキシコに訪れたスペイン人は皆、文明の破壊者だけだったのでしょうか。
受け入れがたい現実に打ちのめされ、深い悲しみを抱きながらも、それぞれの命をまっとうする人々の姿に感動します。
悲劇で終わるのではない、丁寧に描かれた信頼や絆。
様々な交流、様々な愛の形。
壮観の歴史物語です。